今年も残すところ、あと一週間。酒蔵の入り口には似つかわしくない、ケーキの箱が並んでいました。 今日は、日本全国ケーキを食べる日なのでしょうか???甘いケーキに日本酒は合わないけれど・・・焼き鳥にはピッタリですね (^∀^)、、、焼き鳥は無いんでしたっけ???とりあえず、何やら慌しい空気があちこちから漂ってきます。忙しさも、新年を迎える為。酒蔵も年末の忙しさに、何処の部署も賑やかです。年末のこの時期になると注文の増える商品があります。その代表格ともいえる「菰樽」作りが、今盛んに行われています。樽の注文があるのは「選挙かお正月」と言えるほど、イベント性の高いものですね。お正月に樽酒を楽しむ粋な方もまだいらっしゃるようです。頼もしいですね。この不景気を吹き飛ばして欲しいですね。(⌒∇⌒)そこで早速、菰樽作りを見学。この日は、一番小さな一斗樽を巻いていました。樽酒は始めから中身が入っているわけではなく、注文を頂いてから、酒を樽に詰めます。これを藁を中に挟んで、菰で巻きつけ、縄で縛ります。この縄の縛り方が、菰樽独特の雰囲気を出しています。樽に菰を巻き付けたら、樽の上と底を紐で編み込んでいきます。上部は三回(三重に)紐を編みこむそうです。出来上がりは、まるでレース編みのように綺麗ですね。編み終わりは結んだ後、鋏で切り落とし、赤い紙テープを巻き付け封印。次に樽をひっくり返して、底も同じように紐で編み込みます。底は、二回だけ紐を編むそうです。そして、同じように封印します。菰を巻き付けたら、次に縄をかけます。菰樽の形を整え、縄で十文字に縛り、更にこの縄を紐で結びながら縛っていきます。樽作りの担当は管理二課のSさん。形良く、綺麗に仕上げるには、熟練の“腕”が必要です。このところ、毎日のように菰樽の注文があり、忙しそうです。菰を巻く道具も、いろいろあって、それぞれに工夫されていることが分かります。紐を通す巨大な糸通し(Sさんの腰に刺さっているものです)も、固い棗の木が使われているそうです。見た目は象牙のような艶があります。写真で縄に隙間を作っている角材のような棒も、樽の形を整えたり、便利な道具として欠かせないようです。何れも“年季”の入ったものばかり。こうした道具も使い込むほどに、手に馴染み、使い手の体の一部のような感覚になるのでしょうね。職人の世界ですね。 (・∀・)こうした樽の注文も、年々減ってきていると言います。もっとも、菰の材料になる藁そのものも、今では無くなりつつありますから。それでも、祝いの席に大きな樽が積んであったりすると、威風堂々として、立派に見えますね。他には代えられない、存在感があります。今日も、両関本舗の入り口に、出荷待ちの大きな四斗樽が積まれていました。年末の酒蔵の“風物詩”のような、一種独特の雰囲気がありますね。(⌒-⌒)
(by yoko )