2008年がもうすぐ幕を下ろそうとしています。激動の一年・・・と言っても過言ではない、そんな年だったように思います。6月の岩手・宮城内陸地震。震源地に近い湯沢市も大きな被害を被り、未だに観光地では復旧対策に頭を悩ませています。岩手・宮城への国道はそれぞれ寸断されたまま。開通するまでには、まだ時間が掛かりそうです。そして、年末に押し寄せた金融危機。不況に追い討ちをかけるような厳しい現実。普通に「生きる」事さえも、難しくなっているような今の日本の社会。年末に多発する犯罪が、こうした社会情勢を強く反映しているような気がします。本当に必要な「政治」が一日も早く、起動してくれることを願って止みません。そんな2008年の最後の日も、酒蔵の一日は昨日と変わりません。それでも、今日ばかりは仕事を早めに切り上げ、午後三時には社長を筆頭に蔵人全員で、酒蔵を守る神様に拝礼をして今年を締めくくります。両関本舗の建物では最も古い、明治25年建造の一号蔵(国登録有形文化財)に祀られている「松尾様」に、最初に拝礼。二礼二拍手一礼を全員で。酒造の安全と、今年の酒の出来を祈り、皆神妙に手を合わせていました。「松尾様」は、酒造の神様として有名な神様ですが、京都嵐山の松尾大社に祀られている二神の内、大山咋命(オオヤマグイノミコト)は、もともと戦の神様として崇められていたとか。雷神、水神、更には農耕神ということでもあるらしいですね。・・・神様も忙しいですね。φ(.. )酒造りの始まりは、山の神が春に田に下りてきて、米作りを見守り、人々は秋に収穫した米を使って酒を醸し、神と共にそれを頂き、豊作を祝った。ということで、酒造りはもともと神事の一つとされていたものであり、農耕神はそのまま酒の神として崇拝されるようになったのですね。いずれにせよ、「酒」は神と共にあるもの。蔵の中にも、沢山の神様が毎日酒造りを見守ってくれています。「松尾様」に続いて、和釜の前に置かれた蝋燭にも灯りを灯し、お神酒と鏡餅、松葉を供えてここでも全員で柏手を。次に、酒造蔵の前、火入れ(熱殺菌)をする機械の前、モロミを絞る槽場(ふなば)の前、と順に手を合わせていきます。こうして静かに、神の宿る酒蔵の大晦日が過ぎようとしています。来る年が、全ての人に「慶び」を運んでくれますように・・・。願いを込めて.。o○.。o○.。o○.。o○ よいお年をお迎え下さい。(by yoko )
朝から冷たい雨が降り、先日とは一転、積もった雪も融けだしました。雨で濡れた路面は所々滑って、ちょっと危険!(((( ;゚д゚)))今日は、三十日。明日は大晦日。でも、いつもと同じ一日が流れていきました。お酒の出荷も昨日でほぼ終了。今日は、出荷場もコンテナーやパレットを片付けて、午後からは大掃除です。石畳の上に水圧で水を掛けて洗い流していきます。水跳ねを避ける為、壁やガラス戸に覆いをして作業していました。綺麗に洗い流された後は、清清しく、新年を迎える感じがしますね。こちらも少しずつ片付けようかと思っていたのですが、麹室のKさんから、切り返しの箱に掛けている布を縫ってほしいと頼まれていたので、急いでミシンの前に。「急がねくていど。年内に仕上げでければ。(秋田弁解説:急がなくてもいいよ。年内に仕上げてくれれば。)」「はぁ〜い!了解。」・・・って、明日までじゃないですか!( ̄▽ ̄;)!!慌てて寸法を計り、鋏で裁断。といっても、かなり大きな布です。幅3.5メートル、長さ7メートルほどもあります。布に振り回されそう。長年使い慣れた足踏みミシンをよっこらしょと引っ張り出し、でっかい布を引きずりながらミシンの前へ。 ん〜っ(`ヘ´) 博物館行きのようなこのミシン、トヨタ製の年代モノです。これを操作できる人も、数少ないのでは?キコキコ、キコキコ、、、(´−д−;`) フゥ〜。。。やっとのことで、夕方まで仕上げました。縫い目は・・・なにせ古い機械なもので・・・。破れないことを祈るばかりです。ヾ(=^▽^=)ノともあれ、年内の納期(?)に間に合い、これで年を越せそうです。後片付けを終え、すっかり暗くなった夕方、帰り支度をして玄関に向かうと、内蔵の脇にある休憩室の灯りだけが、ぼんやりと明るく光って見えます。晦日の夜も変わらず蔵人の誰かが、泊りがけで仕込み蔵の管理をします。外に出ると、大きな湿った雪が空からぼたぼたと落ちてきました。両関本舗の灯りの中で、今夜も「酛」や「醪」が少しずつ成長していきます。朝までに、雪も随分積もりそうです。。。明日は大晦日。。。(by yoko )
今年も残すところ、あと二日。普段静かな湯沢の町も、何やら車が忙しく走り回っています。年越しの準備のようですね。酒蔵は、いつもと変わらず、今日も朝から仕込みで大忙しです。今朝は、朝礼があって少し遅れましたが、始業と同時に麹室から出来たばかりの麹が運び出され、二階の仕込室へと下ろされていました。下ろした麹は、一輪車に入れられ、仕込タンクへと運ばれます。タンクの口から勢い良く投入される麹。既にタンクの中には、必要なだけの水が入っています。こうして「水麹」という状態にします。更に、蒸しあがった米がエアーシューターで三階から送られ、モロミの仕込が始まります。機械の音が賑やかです。(・∀・)「初添え」「仲添え」「留添え」と仕込みをすると、もうお昼になります。半日で仕事の大半は終了。午後からは機械や道具類の洗浄や、明日の仕込みに使う米を洗ったり、仕事は山積みです。年末年始の慌しさの中にも、酒蔵だけはリズムを壊すことなく、毎日坦々と仕込みを繰り返していきます。(・∀・)つ
そんな年の瀬の今日も、年末の休みを利用した観光客の皆さんが、蔵を見学に訪れて下さいました。午前中は少人数で、午後からは大型バスで団体の方々が・・・。寒い中を有り難い事です。お酒の出荷も、今日明日までといったところでしょうか。それぞれの部署では、少しずつ年末の大掃除が始まったようです。座敷飾りも、お正月の装いに変えて、新年を迎える支度が慌しく始まりました。*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(*'-'*)
(by yoko )
荒れてます、、、今日も猛吹雪です。∑(`□´/)/外では、風がぐるぐるになって(!?)雪を舞い上げています。真冬ですね。まるで、一月半ばのお天気のようです。既に年末のお休みに入った人も多いことでしょう。車も渋滞して、運転も大変です。事故にはくれぐれもご注意を。窓を開けると、屋根の上を雪煙が舞い上がり、鳩の群れも、風に飛ばされそうになりながら羽を広げていました。先日の写真より、屋根の雪が更に増え、向こうの景色も吹雪に霞んでいます。所々、吹き溜まりが出来て、風の強さが分かります。雪不足に頭を抱えていたスキー場は、これで少し安心ですね。お正月前の悪天候。せめてお正月は穏やかでありますように。朝からPCと格闘、少し目が疲れたので、午後三時ごろ、サンプルを取りに三階の酒母室へ行ってみました。あっ、サンプルと言いますのは、毎日の成長過程を見る為、酒母やモロミの濾液を採取したもののことです。これを毎日検査して、順調に育っているか調べます。先日から観察している酒母は、すっかり泡が上がって、立派に成長していました。酵母菌もかなり増えてきたようです。手でタンクの中の空気をかきあげて香りを嗅いでみると、そんなに強くはないのですが、爽やかな甘さを感じさせる上品な香りがしました。 (⌒-⌒)出来上がりまでには、まだ何日も掛かります。酒母室も日を追うごとにタンクが増え、それぞれ違った酵母菌の種類や仕込んだ日付が書かれています。ほとんどのタンクは、ご覧のようなステンレス製です。仕込んで数日経過し、まだ膨れてきたばかりの状態ですが、これから、これらのタンクも徐々に泡を出しながら成長していきます。それぞれ、既にどの酒を発酵させる為のものか決まっていますので、使用予定日まで、順調に仕上がるよう大切に管理されていきます。年末の慌しさの中、ここだけは別の時間が流れているようなそんな“酒蔵のリズム”を感じます。゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆
昨日までの穏やかなお天気が、まるで夢だったような猛吹雪です。( ̄▽ ̄;)!!朝から風がゴウゴウ言ってます。あちこち吹き溜まりになっていました。時折、窓に打ち付ける吹雪。今日、明日はお天気も機嫌が悪いみたいです。気温も、終日氷点下の“真冬日”でした。今頃にしては、寒すぎますね。(((( ;゚д゚)))仕込み蔵から見えるボイラー室の裏は、ご覧のとおり。粉雪が舞ってました。まるで煙のように見えるのは、吹雪の舞う状態です。カメラを構えると、風に吹き飛ばされそうになりました。四方から雪が飛び交ってきます。自然の猛威ですね。でも、これが雪国の普段の状態ですから、そんなに驚くことでもないのでしょうが。それにしても、天気の変化が激しくて・・・。夕方、瓶詰め工場の裏を除雪していました。吹き溜まりになっている雪をかき集め、トラックに積んで排雪しに行きます。これからは、毎日こうした作業が繰り返されます。雪国の宿命ですね。なかなか穏やかな年末とはいかないようです・・・(´−д−;`)(by yoko )
冷たい雨が降り出しました。夜半から雪が降り出す予報でした。明日、明後日と寒波がやってくるようです。「この冬一番」と天気予報では伝えています。いよいよ真冬の寒さが続くようですね。体調管理と、雪対策は抜かりなく・・・。( -д-)ノ仕込みが始まると、当然ながら自分の仕事も増えてきて、あまり出歩けなくなりました。(T_T)仕込みも「初添え」「仲添え」「留添え」と三段階に毎日行われ、朝早くから仕込み蔵の中は、機械の音で賑やかです。午前中は麹を室から出して、タンクに仕込み、蒸し米が冷まされエアーシューターで送られていきます。その間にも、酒母の仕込みや麹の引き込みなど、お昼まで次々と折り重なるように仕事が続きます。午後、手の空いた人は、瓶詰めに手伝いに出掛けました。お正月に向け、出荷される一升瓶の包装をします。一升瓶用の包装紙をクルリと瓶にまわし、底の部分を中に巻き込んで止め、頭の部分は綺麗にまとめて輪ゴムで止めます。次に結束バンドで二本縛って出来上がり。次々と6本入りのダンボール箱に入れていきます。手際よく作業をしていました。(・∀・)
この時期は、殆んどが贈答用になるようです。最近の環境問題で、過剰包装を敬遠する向きもあるようですが、日本酒の包装には、「見た目」とはまた違う大切な役目があります。中身の酒を紫外線から保護したり、瓶への衝撃を和らげる効果があります。光を遮り、中身の劣化を防ぐということですね。一升瓶が茶色であることも同じような理由です。上手な方は、風呂敷で一升瓶を縛って、ご進物にされるようですが、中々包み方が難しいみたいですね。結束バンドで持ちやすいように仕上げたものは、案外便利かもしれません。こうしたものも、実は蔵元で包装されたりしているのです。これも、手の空いた部署からの応援で作業していきます。忙しい時はお互い様。商品になるまで、全員参加で“酒造り”をします。手伝いが終わる頃、今度は仕込み蔵三階の酒母室を覗きに。先日仕込んだ酒母は、どんな具合になっているかしらん・・・。
既に六日目になる酒母は、保温の為マットが巻かれ、布で蓋をされていました。ちょっと失礼して中身を拝見。φ(.. )泡がフツフツと上がっています。大人しい酒母ですね。「9号に近いな。」と担当のEさん。新しく開発した酵母菌を使ったようです。毎日酒母を育てていると、どの種類の菌がどんな育ち方をするのか、自分の子供のように分かるのですね。サスガですね。(*゚∀゚)っ生きている酒母に真剣に向き合い、大切に見守っている証ですね。新しい酵母菌を使った酒母も、まだ折り返し地点といったところでしょうか。どんなお酒になるのか、楽しみです。(・∀・)この他、今日は大吟醸の蒸し米が麹室に入りました。いよいよ、本格的な吟醸造りがスタートです。(by yoko )
今年も残すところ、あと一週間。酒蔵の入り口には似つかわしくない、ケーキの箱が並んでいました。 今日は、日本全国ケーキを食べる日なのでしょうか???甘いケーキに日本酒は合わないけれど・・・焼き鳥にはピッタリですね (^∀^)、、、焼き鳥は無いんでしたっけ???とりあえず、何やら慌しい空気があちこちから漂ってきます。忙しさも、新年を迎える為。酒蔵も年末の忙しさに、何処の部署も賑やかです。年末のこの時期になると注文の増える商品があります。その代表格ともいえる「菰樽」作りが、今盛んに行われています。樽の注文があるのは「選挙かお正月」と言えるほど、イベント性の高いものですね。お正月に樽酒を楽しむ粋な方もまだいらっしゃるようです。頼もしいですね。この不景気を吹き飛ばして欲しいですね。(⌒∇⌒)そこで早速、菰樽作りを見学。この日は、一番小さな一斗樽を巻いていました。樽酒は始めから中身が入っているわけではなく、注文を頂いてから、酒を樽に詰めます。これを藁を中に挟んで、菰で巻きつけ、縄で縛ります。この縄の縛り方が、菰樽独特の雰囲気を出しています。樽に菰を巻き付けたら、樽の上と底を紐で編み込んでいきます。上部は三回(三重に)紐を編みこむそうです。出来上がりは、まるでレース編みのように綺麗ですね。編み終わりは結んだ後、鋏で切り落とし、赤い紙テープを巻き付け封印。次に樽をひっくり返して、底も同じように紐で編み込みます。底は、二回だけ紐を編むそうです。そして、同じように封印します。菰を巻き付けたら、次に縄をかけます。菰樽の形を整え、縄で十文字に縛り、更にこの縄を紐で結びながら縛っていきます。樽作りの担当は管理二課のSさん。形良く、綺麗に仕上げるには、熟練の“腕”が必要です。このところ、毎日のように菰樽の注文があり、忙しそうです。菰を巻く道具も、いろいろあって、それぞれに工夫されていることが分かります。紐を通す巨大な糸通し(Sさんの腰に刺さっているものです)も、固い棗の木が使われているそうです。見た目は象牙のような艶があります。写真で縄に隙間を作っている角材のような棒も、樽の形を整えたり、便利な道具として欠かせないようです。何れも“年季”の入ったものばかり。こうした道具も使い込むほどに、手に馴染み、使い手の体の一部のような感覚になるのでしょうね。職人の世界ですね。 (・∀・)こうした樽の注文も、年々減ってきていると言います。もっとも、菰の材料になる藁そのものも、今では無くなりつつありますから。それでも、祝いの席に大きな樽が積んであったりすると、威風堂々として、立派に見えますね。他には代えられない、存在感があります。今日も、両関本舗の入り口に、出荷待ちの大きな四斗樽が積まれていました。年末の酒蔵の“風物詩”のような、一種独特の雰囲気がありますね。(⌒-⌒)
寒い日が続くと人は自然としやみ(秋田弁で「面倒くさがり屋」のこと)になってしまいます。そんな時はどうすればいいか?簡単です。熱燗で旨い酒を飲み、いい音楽を聴けばいいんです!!ちょっと強引ですが大好評の酒と音楽シリーズの三回目は生きる伝説ボブ・ディランです この人はその存在自体が都市伝説みたいなものでこれまで世界中のミュージシャンやアーティストに影響を与え続けました。私は熱烈なディランファンというわけじゃありませんので全部の作品を聞いていませんが(だって44作品もあるんですよ)上の二つはこの頃よく聞く作品です。左が1965年の「追憶のハイウェイ61」、右が2006年の「モダン・タイムズ」です。どちらもディランの作品ですが、なんと40年以上の年月の差があるんですね。追憶のハイウェイはディランが若い時の作品ですが1曲目の「ライク・ア・ローリングストーンズ」から最後までテンションを下げずに聞くことができ、にもかかわらず何回も聞きなおせる奥深さもあります。モダン・タイムズはディランが65歳の時の作品ですが、さすがの貫禄を見せ付けながら微塵も古臭さが感じられず洗練された音楽を聞かせてくれます。日本酒でいうとモロミから清酒が絞れて長い時間をかけて熟成されていくような感じでしょうか。皆さんはどっちのディランが好みですか?今宵は両関・山廃特別純米酒がお薦めです。(総務・たっくん。)
早朝から雪がチラつき、目覚めた頃には一面、雪景色でした。仕事場の窓から外を眺めると(・・・屋根しか見えませんが)、甍のように重なる屋根には、白い雪が降り積もり、モノトーンの景色を見せてくれていました。これが、だんだん融けずに積もって、何処が境界線か分からない白一色の世界になるのですね・・・幻想的ですね〜。でも、そのうち「雪降ろし」の時期がやってきますね〜。大変ですね〜。イヤですね〜。(T_T)・・・仕方ありませんね。でも、雪が降らないと困ることもあるので、一概に邪険には出来ません。夏の灌漑用水も、山の雪が大事な水源ですし・・・。酒造りも、雪で空気が清澄になってくれないと、雑菌が繁殖し易くなりますし。季節はきちんとその役目を果たすように出来ているのですね。
昨日は日曜、年末のお休みを慌しく過ごした方も多かったことでしょう。酒蔵は、年末年始もなく、仕込みが続けられています。昨日は「初添(はつぞえ:モロミの最初の仕込みのことです)」の仕込みの日でした。今朝タンクを覗いてみると、もうモロミは膨れていました。昨日仕込んだタンクは、本日仕込みをお休みします。「踊り」という状態になります。酵母菌の増殖を促す日ですね。今日は、隣のタンクに「初添」の仕込みをしました。担当は、ベテランのTさん。送られてくる掛け米を櫂棒で掻き混ぜていました。「今朝、まま食いすぎで、前屈みになられね・・・(秋田弁解説:あまりに朝ごはんが美味しく、食べ過ぎてしまい、前屈みになるのがきつい・・・ふぅ〜。)」と嘆いていました。(゚∀゚)アヒャヒャ健康な証拠ですね。でも、腹八分目にしないとね。写真左の櫂を入れているタンクの下は、右側の写真のようなタンク室になっています。ずらりと並んだタンクには、保温の為マットが巻かれています。室温も調整できるようになっていて、暖かい秋口でも、冷房をかけて室温を下げ、仕込みの条件を整えることが出来ます。一応(?)どんな季節でも仕込みが出来る「四季醸造庫」になっています。三階の酒母室を覗いてみると、先週仕込んだ酒母が、ご覧のような状態になっていました。蒸し米が融けはじめ、白い甘酒のような感じですね。櫂を入れた後なので、泡はあまり見られません。見た目には分かりませんが、中では酵母菌が一生懸命増殖を繰り返しています。アルコールも徐々に出てきているようです。年末に向け、忙しさは一層増していきます。酒母の入るタンクの数も、モロミのタンクの数も毎日増えて、仕込み内容も複雑になっていきます。順調に進んでいきますように。冬至も過ぎて、今日から日照時間が長くなりますね。冬の日本海側は、曇天 が多く、気が重くなるような鉛色の空を毎日眺めていると、日照時間もあまり感じなくなってしまいます。でも、代わりに雪の白さで、辺りが明るく見える事も確かですね。まんざら悪いことばかりでもないみたいです。(by yoko )
今朝も、辺り一面霜で真っ白でした。φ(.. )今年の秋田は、晴天に恵まれた寒い冬の始まりのようです。来週は、天気予報ものマークが多いようですが、いよいよ冬将軍がやって来るのでしょうか。さて、今日は週末の土曜日ですが、仕込みの始まった酒蔵は、曜日に関係なく、毎日が動き出した歯車のように休むことなく回転していきます。昨日仕込んだ酒母も、今日はご覧のように麹や蒸し米が水を吸って、膨張してきました。タンクの中に入っているのは、櫂棒(かいぼう:攪拌に使います)と冷温機です。冷温機の中には氷が詰め込まれています。これで、始めは冷やしながら酵母菌の増殖をコントロールしていきます。日を追うごとに温度を上昇させ、優良酵母だけを増やしていくやり方です。
中では糖化が始まり、少しずつ甘さが増していきます。甘酸っぱく、独特の味がします。次第に香りが出てきて、部屋中、果物のような香りに包まれます。(* ̄∇ ̄*)初めて酒母の香りを嗅いだときには、お米からこんな香りが生まれることに驚きました。吟醸酒でなくとも、発酵しているときの香りは一種独特です。そう言えば、酒母室に来ると思い出す懐かしい人がいます。冬の酒蔵に働きに来る人たちが、今よりずっと多かった時代のことです。今は合併して、横手市となった秋田杜氏の里、山内村から通う、モト造りのベテランがいました。とても楽しい人で、いつも周りを笑わせてくれる、ムードメーカーです。ある日のお話です。〜ある夏の日、山に出かけたところ、(山菜取りに行ったのでしょう)一本の木の根元で、とぐろを巻くマムシを発見。マムシは強壮薬として珍重される為、蛇が苦手でない人は、生け捕りにして持ち帰ります。噛まれないようにマムシと格闘、見事捕獲に成功して、家に持ち帰ったそうです。マムシはお腹が大きく、子供がいるようです。残酷ですが捌いて、中の子供を7匹取り出しました。小さい為、「どうするべ?」と思って、とりあえず7匹のマムシの子を整然と皿に並べて冷蔵庫に入れておいたとか・・・( ̄▽ ̄;)!!アハハハハ・・・。忘れた頃に、けたたましい奥さんの叫び声こっぴどく怒られたのは、言うまでもありません。(`Д´)そんなお話を面白可笑しく、話してくれたことを、時々懐かしく思い出します。「あははは、yokoちゃん笑った・・・(´∀`)」と笑顔でお話してくれました。楽しい人がいるだけで、蔵の中が明るくなりますね。今頃、どうしているかなぁ。。。(by yoko )